ベティの雑記帳

つぶやき以上ブログ未満

灯台のはなし

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2020年11月08日追記

御前埼灯台の「埼」の字を誤って「崎」と表記していたので修正しました。

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御前埼灯台に行ってきた。

 

家にこもるのも人と会わないのもわりと得意だったはずなのに意外と徐々にツラくなってきて(※1)、どこか風通しのいい場所に一人で出かけるぶんには問題ないのでは?と思ったのがきっかけ。

 

実際、外に出たいと思う人はそれなりにいるようで、行き帰りの国道ではツーリングのグループをいくつも見かけた。灯台やそのあと行った公園でもマスクをした家族連れやカップルなどを見かけた(※2)。

 

御前埼灯台は予想通りの風通しのよさと予想以上の見晴らしのよさだった。

 

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でも、僕が感激したのは、灯台から少し離れた場所で見た景色だった。

 

当たり前の話だけれど、灯台は海から見て確実に目立つところに建てられる。しかも、昼間に見ても目立つ色をしている。それに、百年以上ものあいだ海風に耐えられるほどの堅牢さがある。東京タワーや送電線のような鉄塔の構造だったら腐食が進んでそんなに長くは持たないと思う。

 

その結果どうなるかというと、めちゃくちゃに美しい。

海はしばし眺めて満足したけど、灯台はなかなか見飽きなかった。

灯台巡りにハマってしまうのではという気さえした。

 

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そんな灯台は2003年をピークにその数を減らしてきている(※3)。地球のまわりをぐるぐる回るアイツらのせいだ。

正直、カーナビだって僕らが小さい頃からそれなりに普及していたから、灯台の数がピークを迎えたのはもっと昔かと思っていた。意外と最近まで建てられていたようだ。

使われなくなった灯台は、そのままの姿を保つだけでもお金がかかるので、取り壊すことになる。「美しいから残しておこうぜ!」でみんなの理解が得られれば楽なのに、なかなかそうはいかないから、歴史的な価値や観光資源としての役割を訴える取り組みもあるらしい(※4)。

 

昔に作られたもので、今はもう使われてはいなくてもその姿が残っていて、美しかったりカッコよかったりするものはけっこういろいろある。SLなんてその代表だと思うし、西洋文明的なものに限らず姫路城のような和風タイプもある。首里城もまだ見に行ったことがないので復元されてほしい。

じゃあ、いま作られている建造物や乗り物はちゃんと百年後まで残っていて、その時代の人の心を動かすことができるのか?

これはきょう初めて湧いてきた疑問ではなくて、僕が昔から考えてきたけどいまだに答えが出ていないことのひとつだ。なにしろ答えが出ていないので、この話はここで終わりなのだけれど、いまの時点では、ほとんど残らないんじゃないかという考えに傾いている。それはちょうど、灯台人工衛星どっちが長持ちするか(※5)を較べてもらったらこの感じが伝わるんじゃないかな。

 

それにしても、海というのはいつでも広くていつでも風を感じられていい場所だなあと思う。海から遠いところで生まれたこともあってつくづくそう思う。

 

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※1 世界中の人がこの葛藤と戦っていて、ほとんどの人がストレスを受けてしまっているように感じる。最近のSNSがやたらと不穏なのも、日本でも海外でも無意味な買い占めが起こるのも、このストレスのせいだと思う。不安と言い換えてもいい。雑な政権批判や「バカな人たちがデマに惑わされているだけ」という意見も目にするけれど、本当に余裕を失ったときでも自分は理性を保てるなんて思わず、まずはみんながストレスの下にあることを自覚して無理をし過ぎないことが大切だと思う。

 

※2 御前埼灯台もいつもならば中に入って展望デッキまで上がることができるらしいのだけれど感染対策としていまは中止されている。夜の光を放つ灯台も見ないといけないと思うので、いずれまた行きたい。【御前埼灯台(omae saki toudai)/御前崎市公式ホームページ】

  https://www.city.omaezaki.shizuoka.jp/kanko/watch_goaround/todai.html

 

※3 【消える灯台GPS普及で年30基 存続求める声も:日本経済新聞

  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38315690Z21C18A1AC1000/

 

※4 【期待される灯台の観光活用 | 海洋政策研究所-OceanNewsletter | 笹川平和財団 - THE SASAKAWA PEACE FOUNDATION】

  https://www.spf.org/opri/newsletter/437_3.html

 

※5 上空数百kmを回っている人工衛星はわずかな空気の抵抗で十年もたたずに大気圏に落ちて燃え尽きてしまう。地球から離れたところを回っている人工衛星はすぐには落ちてこないけれど、十年前のパソコンを使い続けても仕方がないのと同じで、もっとスペックのいいものをつくって打ち上げてしまう。人工衛星は専門ではなかったので、正確な情報はほかの方にあたっていただきたい。