ベティの雑記帳

つぶやき以上ブログ未満

アポ爺とマニュー婆

静岡の中小企業の機械設計者から JAXA の宇宙科学研究所の博士課程学生へという大きな軌道変更を決意するに至った最大の理由は,”哲学のある研究者“になるためであればこれからの人生のすべてを賭ける価値があると考えたからである. これまでの宇宙工学によ…

ちょっと大袈裟かな?

先日、いつもの美容師さんに髪を切ってもらいながら、来週ぐらいには引っ越しちゃうんですよという話をした。こういう風に僕が客という立場だと、お店を出るときに「また来てくださいね」と言ってもらえるので、少し気が楽になる。 おそらく実際には、何かし…

『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(前編)

かれこれ2年近く前の話になってしまうのだけれど、28歳になって初めての朝を迎えたのは自分の家ではなく浜松の都田だった。「都田建設」が運営している「ドロフィーズキャンパス」の一部である「白のMINKA」という宿泊施設に泊まっていたからだ。 ドロフィー…

高校時代とミスチルと

【ap bank fes '23 ~社会と暮らしと音楽と~】の1日目に行ってきた。 僕がミスチルにどっぷりとハマっていた時期はちょうど高校の3年間に重なる。櫻井和寿、小林武史、そして坂本龍一によって設立された「ap bank」が開催するこのフェスの存在を知ったのも…

もう夏

平日の朝、起きるのがつらいのはいつものことながら、ここ最近はそのつらさが度を超えている気がして、その原因を考えてみたところ、夜中や明け方に目が覚めることが多いことに思い当たって、もう夏なんだなと思った。 この部屋はどうにも熱がこもりやすいよ…

勝手に短歌論

確かに、自分がつくった詩を自分で解説することほどダサいことはないかも知れない。自分の作品に解説するほどの値打ちがあると思っている時点で相当にダサいというのが1つ、解説しなければ伝わらないようなものを完成品として世に出していること自体がダサい…

ものすごくやりたいこと(リトルプレス・合唱指揮)

いま僕がものすごくやりたいことについて話をしてもいいですか? Ⅰ リトルプレス リトルプレスとは、小部数の自費出版のことを今風に言ったものである。同人誌とは何が違うのかと訊かれると僕もうまく説明できないけれども、ともかくそういう感じの本のこと…

《書くことについて》§2 書くことは何に似ている?

この1年間でこのブログに書いたものを読み返した。これは、自分が撮った写真とか、自分でアレンジした曲とか、割といろいろなことに対して言えることなのだけれど、時間が経ってから読み返したときでも「これ結構おもしろいじゃん」とか「ここの表現うまいわ…

《書くことについて》§I ベ的表現論

ブログを続けていると、書けることと書きたいことはちょっと違っていたり、書きたいけど書くべきじゃないことに頭を悩ませたりすることがある。僕がいまから書こうとしているのは、別に書きたくもないけどこれ以上書かずにやり過ごす訳にはいかなくなってき…

『天王寺ハイエイタス』伊与原 新

6つの短編が収められた『月まで三キロ』(新潮社)の4つ目がこの作品だ。物語の舞台は浜松、東京、北海道ときて、筆者の出身地である大阪に移る。冒頭から生き生きとした会話が繰り広げられて、関東出身の自分でさえ、目で追った文字が変幻自在なアクセント…

深い宇宙-臼田のパラボラアンテナ

8月19日 晴れ 長野県佐久市にあるJAXAの「臼田宇宙空間観測所」へ行ってきた。きのうの野辺山宇宙電波観測所とは違って、ここには巨大なパラボラアンテナがひとつ建っているだけだ。 直径64mパラボラアンテナ このアンテナは、小惑星探査機「はやぶさ」をは…

星の数ほど - 野辺山の夜空

8月18日 雨⇨晴⇨? 涼しい場所で星を見たいと思い立って、たどり着いたのは長野県の野辺山だった。電波天文学の聖地「国立天文台 野辺山宇宙電波観測所」やJRのすべての駅のなかで最も標高が高い「JR小海線 野辺山駅」があることがどれくらい広く知られている…

ひきこもごものひきこもり

8月17日 さっきまで雨 きょうは一歩も外に出ていない。もちろん誰とも会っていない。何らかの通信手段による音声のやり取りもない。独り言はいくつか言った気がする。 こういう日は、自分がリセットされている感覚があって、ものすごく心地がいい。こういう…

Gのレコンギスタ完結

8月16日 晴れ曇り大雨ぜんぶ 劇場版「Gのレコンギスタ」「Ⅳ 激闘に叫ぶ愛」と「Ⅴ 死線を超えて」を同時に上映している映画館を探して、続けて観てきた。これでGレコは完結となる。 最初に言っておかないといけないことがある。正直なところ、僕はこの映画の…

それぞれの人にそれぞれの声

8月15日 晴れ 宮崎駿監督「風立ちぬ」の魅力は挙げると切りがないが 、主人公を演じた庵野秀明の声は大事な要素であるように思う。既に50代だった声優でもない男が20代のとある戦時中の航空技術者の声を担うというのは、普通のことではない。 話し方がその人…

コンパクトディスク考

8月14日 だいたい晴れ まだ開封していなかったCDが2枚ほどあったので、それを聴いた。福原遥さんの1stアルバム<ハルカカナタへ>とPerfumeの最新アルバム<PLASMA>だ。 どちらも、サブスクで既に聴くことができる。<ハルカカナタへ>については、通勤の車…

1600年前のご近所さん

8月13日 台風で大雨 市の図書館で開かれている古墳時代の土製品についての展示を見学してきた。人型と呼ぶにはやや拙いかわいらしさのあるこれらの土製品は、市内にある明ヶ島古墳群から発掘されたそうだ。その場所は僕の家からすぐ近くで、1600年の時間さえ…

引用集ふたたび

本書で扱う取材は、インタビューにかぎらない。誰かの話を聞くことはもちろん、本を読むことも、映画を観ることも、街を歩くことも、電車の車内アナウンスに耳を傾け中吊り広告を眺めることも、すべてが取材だ。 もちろん実際に原稿を書きはじめてからも、調…

やっぱりピアノを弾けるようになりたい話

「ピアノを弾くこと」について文字でつらつらと書いたところで、どうにもならないことは分かっている。ピアノを弾けるようになりたいのであれば、それなりの努力をするべきだ。 1回30分の個人レッスンを月に4回、それを続けて9か月が経った。けれども、通し…

空気清浄機にまつわる話

ようやく空気清浄機を買った。 どうして『ようやく』なのかと言うと、ずっと前から欲しいと思っていて、ネットで調べたり電器屋さんに見に行ったりもしておきながら、結局買わないままでいたからだ。部屋には去年のモデルのカタログがある。 なかなか購入に…

最近考えること三篇

<第一篇> 「思う」を超えて「考える」へ 間もなく衆院選の投票日がある。静岡県に住む人はその前に参院補選もある。自分ひとりが投票してもしなくても選挙の結果は全く変わらない、というのはあながち間違いではない。少なくとも、そう思ってしまうこと自…

UFOにまつわる記憶 #1

信号待ちになった途端、8月の蒸し暑さに取り囲まれて、僕はシャツのボタンをもうひとつ開けた。 夏休みは昨日で終わってしまった。今日は始業式で、授業はなかったから、11時には下校になった。教室がいつにも増して騒がしく、僕はさっそく嫌気がさしてしま…

あるポストの話

僕はその日、名古屋へ来ていた。梅雨ももう明けたのに、僕はまだ内定をひとつももらうことができず、就活を続けていたのだ。今日は最終の個人面接だったが、順番がかなり早かったので、10時前にして既に帰途に就いていた。 手ごたえは全くと言っていいほどな…

「言えないことを書く」

「言語はもともとコミュニケーションツールとして生まれたのではなく、思考のツールとして生まれたのだ(※1)」という説を最近目にした。人間以外の動物における鳴き声の成れの果てが言葉だと思っていたので、やっぱり言葉は伝達のツールとして生まれたもの…

小説が書けなかった話

従来のスタイルで文章を書くことがひどくダサくてイタいことのように感じられて、その感じはおそらく正しいので、何か別のことをやろうと思って、小説を書くことを思い付いたのだけれども、やっぱり断念することにした。いまの僕には到底無理だと思ったから…

ひとりであるということ

先日、自分の誕生日があった。もう27回目なんだから普通の日と同じ顔をしてやり過ごすべきだろうという思いはあったのだけれども、1か月近く前から「おっ、そろそろ来るじゃん」という意識が発生してしまい、結果的には普段通りとはかけ離れた過ごし方をする…

引用集 '20

サラリーマンというのは、給料の出所に忠実な人であって、仕事に忠実なのではない。職人というのは、仕事に忠実じゃないと食えない。自分の作る作品に対して責任を持たなくてはいけない。(バカの壁/養老孟司) 85歳の千代さんは言いました。「警備員は立っ…

出でよ!イデオロギー!

序章 ー 夏休みの自由研究 夏が来ると毎年思うのだけれど、遠州の日差しは宇都宮のそれよりも強い放射エネルギーを持っているような気がしてならない。例年は「うわー当たりたくないなー」としか感じないけれど、今年は梅雨が長かった(※1)ので、「当たりた…

ブルーインパルスの「感謝飛行」

きのうの正午過ぎ、東京都心の上空をブルーインパルスが飛んだ。航空自衛隊のTwitter(@JASDF_PAO)では「感謝飛行」と銘打って「医療従事者の方々をはじめ、多くの皆様へ敬意と感謝をお届けした」とある。 ===✈ これから少しだけ余計なことを言う。ブル…

踊らされて生きていきたい

■ カッポレダンス いまからちょうど100年前の1920年、「日本及日本人」という雑誌の中で「百年後の日本」と題する特集が組まれた。その名の通り、100年後の日本はどのようになっているかを小説家や大学教授、宗教関係者などの有識者およそ370人が予想したも…