8月19日 晴れ
長野県佐久市にあるJAXAの「臼田宇宙空間観測所」へ行ってきた。きのうの野辺山宇宙電波観測所とは違って、ここには巨大なパラボラアンテナがひとつ建っているだけだ。
このアンテナは、小惑星探査機「はやぶさ」をはじめとした深宇宙探査機とのデータのやり取りをするために使われてきたものだ。深宇宙(deep space)というのは「地球からの距離が200万キロメートル以上である宇宙」のことを指すと、電波法施行規則第32条に書かれている。
宇宙とひと括りに言っても、近い宇宙から遠い宇宙までさまざまである。例えば、国際宇宙ステーション(ISS)が地球を周回しているのは地上から400kmの高さだ。「宇宙から見た地球」のイメージとして、このような景色を思い浮かべる人も多いと思う。
近年は大学で人工衛星を製作して運用することも珍しくなくなってきたが、そういう人工衛星はこのくらいの高度にある。そこからの電波はテレビ用として一般家庭の屋根に立っているようなアンテナ(八木アンテナ)で受信することができる。
では、この臼田のパラボラアンテナが使われるような「深宇宙から見た地球」は一体どうなるのか。2015年11月にはやぶさ2によって撮影された画像がこれだ。画面の右側に地球、左側には月が見える。このとき地球からはやぶさ2までの距離が約300万kmだから、これがようやく深宇宙の入口だ。
暗闇に浮かぶ地球を眺めているうちに、ふと心細いような気持ちになってきて、自分は宇宙のそういうところが好きなのかも知れないなと思う。