ベティの雑記帳

つぶやき以上ブログ未満

そりゃあ同じような環境にいた人としゃべるほうが楽だけど

会社に入って3週間が経った。

予想した通りのことも多いが、予想外の新発見のほうがそれよりも圧倒的に多い。

 

特にビビっときたのが表題の件だ。

会社の先輩から訊かれた質問が2つある。

 

①へぇー宇宙、詳しいんだ。じゃあさ、マジで人生最大の疑問なんだけど、宇宙って終わりあるの?

②ねぇ英語出来るんだよね?「これマジめんどくさい」って英語でなんて言うの?

 

僕が宇宙工学の研究室にいたこととか、B4のときTOEICでたまたまそこそこの点数をたたき出したことが知られているのは素直にありがたい。

しかし、僕はこれらの質問に的確に答えられたのかというと、NOだった。

 

少し言い訳をさせてもらおう。

①僕は確かに航空宇宙講座の研究室にいて、宇宙機が大気圏に再突入するときの環境を模擬する装置を使った研究をしていたけれども、宇宙の進化は全然関係ない。理学部の仕事だし、その辺りの正しい理解のためにはめちゃんこ難しい数学が必要になるに違いない。

②いちおう院卒だから英語の論文が読めないと仕事にならないという環境に身を置かれてはいたけど、論文ってテクニカルタームは多くても文法は簡単だから...それに、これまで海外に滞在していた時間は合計でも数週間だからそんな口語表現まで分からんよ...

 

ありがたいことに僕に対して多少の興味を持って純粋な好奇心をぶつけてくれた先輩たちには「なーんだ知らないのか」「院卒ってそんなもんか」と思われたに違いない。

 

 

クソほど悔しい。

 

 

これまで僕の周りにいてくれた人達は「宇宙開発と宇宙論は別物」とか「TOEICと(口語的な)英会話は別物」という認識を共有している人達だった。

それ以外にも、世の中のいろいろな物事について、ある程度の前提条件を共有した上で会話をしていた。

 

僕が足を踏み入れた世界は、どうやらそうした前提条件が共有出来ない世界のようで、僕からしてみれば知の無法地帯だ。

 

仕事に関わる部分でも、「それは習ってないわ」ということばかりなので、僕は大学で何をやってたんだっけ?という気持ちになる。

でも、ただそういう気持ちになるというだけで、このことに関しては特に不満はない。企業がやらないこと、つまり特に目先の利益にはならないけれど人間にとって必要なことをやる場所が大学だと思っているので。その点でも、国立大学の統廃合による文系学部の縮小には普通に怒っている。

 

話を戻すと、研究(あるいは勉強)と仕事は予想通り全くの別物だったので、ここは「新人」という屈辱のレッテルに耐えるしかない。

 

そんなことより問題なのは、さっきの悔しさの行き場だ。

自分と同じような環境に身を置いていた人と会話をするのは実は最も楽で、そうでない人との会話には思いもよらないところに罠が仕掛けられている。

これらの罠にかからないために求められる知力とは、いったいどれ程のものなのか。